アメリカの国民食の一つでもあるピザ。
地域によっても色々なタイプがあり、定番のニューヨークスタイル、シカゴピザなどは日本でも有名ですね。
そして、アメリカなどでは有名なものの、日本だとあまり馴染みの無いのが「デトロイトスタイルピザ」。
どのようなピザなのか、作り方や味はどうなのか?
今回はそんなデトロイトスタイルピザについて解説をさせていただければと思います!
目次
デトロイトスタイルピザとは?

出典:serious eats(https://www.seriouseats.com/detroit-style-pizza-recipe)
デトロイトスタイルピザとはその名前のとおり、アメリカのデトロイト発祥のピザで、一番の特徴は四角いこと。
シカゴピザでお馴染みである、厚みのある「ディープディッシュピザ」に分類されますが、シカゴピザは丸い鉄製のスキレットで焼くのに対し、自動車産業が盛んだったデトロイトの自動車工場で使うための、小さくて細かいパーツを入れる四角いトレイで焼いているため、特徴的な四角くて厚みのあるピザに仕上がっています。

現在では本来の用途と異なり、デトロイトスタイルピザを焼くための道具として販売されています。

アメリカ圏で購入できるデトロイトスタイルピザ専用の型 出典:eBay(https://www.ebay.com/itm/306264579438?norover=1&mkevt=1&mkrid=711-167022-171738-6&mkcid=2&itemid=306264579438&targetid=&device=c&mktype=pla&googleloc=1028853&poi=&campaignid=21272459277&mkgroupid=&rlsatarget=&abcId=&merchantid=119648210&gad_source=1&gad_campaignid=21278987465&gbraid=0AAAAAD_QDh-qcj6bYurI2yblHa9-4igg9&gclid=Cj0KCQjwmK_CBhCEARIsAMKwcD7UcVDlPIrSEQmQFxd0fCe-IA2HyUpckpgJbzSMOYQ16e7x-2c6UTsaAhJvEALw_wcB)
熱伝導率が良いアルミ製のもので焼くので、端の部分のチーズがカリカリに固まって独特の食感を作りだしているのも大きな特徴の一つです。
デトロイトスタイルピザのレシピ
なかなか馴染みの無いタイプで、しかも見た目も特徴的なので自分で作るのはハードルが高そうと思ってしまいますが、実は道具さえあれば普通のピザを作るよりも圧倒的に簡単です。

ここからはデトロイトスタイルピザのレシピを紹介させていただきます!
必要な道具・材料
道具として必要なのは焼くための型のみです。
eBayなどのサイトであれば本場でも使われている専用の型を買う事が出来ますが、値段も高くつくので、日本で手に入るケーキ型で十分です。
自分はAmazonで24cm×24cmの、上記写真のものを購入しました。

デトロイトスタイルピザだけでなく、フォカッチャやケーキなど、色々なものが作れるので持っていなければ1つ買っておくと便利ですよ。
ガラス製のものを使う事もできますが、熱伝導率がアルミや鉄と比べると低く、特徴的なカリカリな端っこが出来上がりにくいので注意が必要です。
生地に必要な材料
次は生地に必要な材料です!
- 強力粉・・・250g
- 薄力粉・・・100g
- ぬるま湯・・・280ml(80%)
- イースト・・・小分け1パック分
- 砂糖・・・10.5g(3%)
- 塩・・・10.5g(3%)
簡単に作れるピザ生地レシピは当サイトで公開させていただいてますが、一番異なるのは水分量(加水率)で、小麦粉の量に対して水分の量を多くすることで、特徴的なフワフワで厚みのある生地に仕上げる事が出来ます。

ソースに必要な材料
ピザソースに必要な材料と分量は以下とおりです。
- トマト缶(カットトマト)・・・1缶(400g)
- 塩・・・4g(1%)
- 砂糖・・・8g(2%)
- にんにく・・・2~4片
- オレガノ・・・適量
- バジル・・・適量
- オリーブオイル・・・適量
トマト缶で作れる簡単ピザソースレシピも当サイトで公開させていただいてますが、異なる点はオリーブオイルを使う事と、火にかけて一度調理を行うことです。

もちろん調理せずでも問題ありませんが、本来のデトロイトスタイルピザに倣うのであれば、この一手間を挟みましょう。
生地の作り方
ここからは実際の作り方を紹介していきます!

水以外をボウルに入れて混ぜる
小麦粉をはじめとした材料をボウルに入れて良く混ぜます。

ネットで色々な作り方を見ていると、イーストとお湯は別で混ぜて加えるというステップを踏んでいる場合も多いですが、実際にどちらも試してみたところ結果はあまり変わらなかったので、イーストも一緒に混ぜるようにしてます。
お湯を加えてヘラで混ぜる
次にぬるま湯を加え、ヘラ等で混ぜていきます。
手を使ってももちろん問題ありませんが、水分量が多くてかなりべた付いてしまうのと、今回のレシピは手で捏ねる必要がある普通のピザよりも作るのが簡単というのが特徴なので、楽をしましょう。

このくらいまでになればOK
手で捏ねる際と同じように、ヘラで外側から内側に寄せていくように混ぜていき、渇いた小麦粉がなくなり、上記写真くらいまでにまとまってくればOKです。
オリーブオイルを加える
この後発酵に移りますが、水分量が多くて膨らんだあとボウルに生地がくっついてしまうのを防ぐため、表面全体がカバーされるようにオリーブオイルをかけて塗っていきます。

寝かせて発酵させる

発酵前のサイズ
あとは寝かせて発酵をさせるのみです。
ボウルをサランラップや少し湿ったタオルなどでカバーをして放置です。

サランラップが外れないようまな板でもカバー
発酵完了
気温によって前後しますが、夏場であれば早くて1時間、概ね2時間程度経てば発酵は完了。
元々のサイズの2倍程度まで膨らめば生地の準備は完了です。

このくらいまで膨らめばOK
ソースの作り方
次はソースですが、こちらはあまり特別なステップはなく、材料を全て混ぜて火にかけ、水分量が飛んで2/3くらいの容量になれば準備完了です。
トマト缶で作れる簡単ピザソースレシピの際はハンドブレンダーを使ってなるべくスムーズなソースに仕上げましたが、今回はカットトマトの形が残っていた方が食感によって食べ応えが増すので、あえてそのまま使います。

ニンニクについては食感を残したければ包丁で細かく刻んだものを、味を楽しみたければガーリックプレスなどでペーストにして使いましょう。
生地の成型・トッピング

型の底と側面にオリーブオイルをたっぷり塗る
いよいよここから最終段階に移りますが、生地については二次発酵をさせます。
まず最初に、型の底と側面にたっぷりオリーブオイルを塗りましょう。
オリーブオイルによって実質、揚げるに近い焼き方をする事で外側がカリっと仕上げるので、少し多いかなと思うくらい使って大丈夫です。

この段階だと型の四隅まで生地が広がらない
次に型に生地を移します。
この際、生地を4~5回ほど折りたたんであげることで、焼き上がった時の食感が増すので忘れないようにしましょう。
また、型の大きさにもよりますが、今回解説している24cm四方のものだと、この段階では四隅まで生地が広がりきりません。

ラップをして再度発酵をさせる
そこで、最後にもう一度、30分~1時間程度発酵をさせます。
これによって生地が膨らむ&柔らかくなるので、簡単に広げられるようになると思います。
上記写真のようにほぼ四隅まで生地が行き届けば生地の準備は完了です。
トッピング

チーズは最初に、そしてたっぷり乗せる
最後にトッピングです!
特に複雑な事はありませんが、本場デトロイトスタイルピザに倣うのであれば、チーズ、トッピング(今回だとソーセージ)、ソースという順番にする事が重要です。

時間をかけて焼くので、この順番にしないとチーズが固くなりすぎてしまうので注意しましょう。
トッピングはペパロニが定番ですが、日本だとあまり手に入らないので今回はソーセージを。ベーコンもおすすめですよ。
ここも惜しまずに使いましょう。

縦に二列や線を入れるように斜めにソースをかけるのが特徴
そして最後にソースをかけます。
上記写真のように縦に二列にしたり、斜めに線を入れるようにかけるのがポイントです。
焼き方

220℃~250℃程度で時間をかけて焼くのが特徴
あとはオーブンに入れ、焼くのみです!
通常のピザはなるべく高温&短時間で焼きますが、デトロイトスタイルピザは250℃程度でゆっくり焼くのが特徴です。
250℃に余熱が完了したらオーブンに入れ、20~30分程度時間をかけて焼きます。
使うオーブンによって実際の温度や焼き上がり方が微妙に異なるので、最終的には見た目で判断しましょう。

ラックの上に乗せた方が底に熱が行き渡りやすい
焼く際の一つのポイントとしては、ラックなどの上に乗せてあげる事です。
これによって底にもしっかり熱が伝わり、底面の生焼けや焼きが足りないなどを防ぐことが出来ます。

今回はもう少し短めに焼いてもよかった
表面が美味しそうなきつね色になれば完成です!
上記写真だと四隅のチーズが少し焦げてしまってますね。もう少し短めの20分くらいでも良かったかなと思います。

こちらは別に焼いたもの。焼き上がりは完璧でした
上記写真は別で焼いた際のものです。チーズも程よい加減で色づいて完璧でした。
あとは型からの取りだし方ですが、チーズが型にくっついていますので、金属のヘラなどを使って形が崩れないように外側から少しずつ剥がしていき、取り出す際は一気に取り出します。

上記写真は右上部分がやや崩れてしまったものですが、それ以外は綺麗に取り出せました。

このチーズが固まった隅の部分がとても美味しい
隅の部分が上記写真のように仕上がっていれば完璧なのではないしょうか。

最後に、実際に食べてみた感想をお伝えします!
デトロイトスタイルピザの味は?

1切がかなりボリューミー
実際に食べる際は四角くカットをします。今回のサイズであれば四等分がちょうど良いでしょう。
通常のピザであれば同じ生地の量でMサイズ程度のものが2つ作れるので、1切だけでもかなりボリューム感があります。
手で持って食べても良いですが、手が汚れやすいのでナイフとフォークを使った方が無難です。
生地はフワフワ&もちもち、そしてトマトソースが一番上に乗っている分、ソースの味わいがとても良く伝わってきます。
かなりの量のチーズを使っているので、重くてくどすぎないか心配になりますが、以外とそんなことはなく、自然と食べられますよ。
今回はソーセージとベーコンを使ったパターンでご紹介をしましたが、やはりより本場の味に近づけたければペパロニが必須ですね。
あのスパイシーと塩気があればまた違った印象に仕上がりそうです。
とはいえ、ピザは自分の好みに合わせて自由に作れるのが特徴なので、色々な食材で試してみましょう!
まとめ
以上、今回はデトロイトスタイルピザの作り方をご紹介させていただきました!
いかがでしたでしょうか?
日本ではなかなか見かけないデトロイトスタイルピザ。ずっと食べたいなと思っていたものの、機会がなかなか無いので自分で作ってしまいましたが、生地を捏ねる必要がなく、型さえあれば作れてしまうので普通のピザよりも実は簡単。何よりも味に大満足できる仕上がりでした。
少し珍しいピザを作って周りに「おっ!」って思ってもらいたい場合はぜひ今回のレシピを参考に作ってみてください!