各国の軍隊や日本の自衛隊。
戦場や災害などの過酷な現場で活動する隊員ですが、当然人間なので活動中も食事は必須です。
しかも体力を使う分、通常よりも栄養やカロリーはしっかりと摂る必要があります。そんな兵士・隊員の現場専用に用意されている食事、「レーション」というものをご存じでしょうか?
国毎に自国の特徴的なメニューが揃っており、自衛隊のものだと「カレー」や「豚しょうが焼き」などさまざま。
今回は「MRE」と呼ばれている米軍のレーションの一つ、「PIZZA SLICE, PEPPERONI」を食べてみたので感想とレビューをお届けしたいと思います!
戦場で食べるピザ。果たしてどんな内容になっているのでしょうか?
目次
米軍のMREとは?
米軍のMREとは「Meal Ready to Eat」の略で、直訳すると「すぐに食べられる食事」。
戦闘糧食(せんとうりょうしょく)、レーション等色々な呼び方はありますが、軍の隊員が戦場や災害現場などの食事の調理や準備が困難な現場で最低限の調理等で摂るための食事です。
MREの特徴は1袋に主食、副食、デザートから飲み物までの1食分、約1,250kcal相当の食べ物が詰められており、水さえあれば調理器具などが無い環境でも専用のヒーターを使って温かい食事が摂れるようになっています(常温でも喫食可)。
また、常温で5年以上、砂漠地帯などの過酷な環境でも最低3年間は保存、食べられるなど保存性が高いのも特徴です。
ちなみに私、これらのMREや各国のレーションなどを専門にレビューしているサイト「MRE.JP」も運営させていただいております。
MREについてもっと詳しく知りたい方は「MREとは?レーションってどういう意味?アメリカ軍の戦闘糧食について。」の記事で詳しく解説してるので、興味のある方は是非ご覧になってください。
米軍のMRE「PIZZA SLICE, PEPPERONI」について
そんなMREですが、実に24種類のメニューが存在しており、その中のメニューNo.23が「PIZZA SLICE, PEPPERONI」、ピザのメニューとなっています!
MRE自体は1981年に登場して40年以上の歴史がありますが、実はピザがメニューに登場したのは2018年とかなり最近になってから。
アメリカ人が大好きなピザなので、隊員からMREのメニューとしての要望はずっと昔からあったものの、チーズやトマトソースなど水分を含む材料を多く使う事もあり、MREの基準である最低3年間という長期保存に耐えられるものがなかなか開発できなく、実現するまで30年以上かかったそうです。
今回はそんな記念すべきピザがメニューに初登場した2018年製のMREを入手したのでレビューさせていただきます!
米軍MREのピザ開封
気になる方も多いと思うので、早速袋を開けて中身を確認していきましょう!
まずは開封から。
袋の上部から手で簡単に開けられるようになってます(たまにとても固くて全然開けられない)。
袋を開けると中からさらに透明な袋に詰まった中身が出てきました。
透明な袋を開けてさらに中身を見ていきましょう。
米軍MRE「PIZZA SLICE, PEPPERONI」の中身は?
中身を広げたのがこちらの写真です。
実に以下の10種類もの食べ物などが入ってました。
内容物一覧
- ペパロニピザ
- イタリアンブレッドスティック
- チーズスプレッド(ハラペーニョ味)
- チェリーブルーベリーコブラー
- チョコチップクッキー
- チョコレートプロテインドリンク
- 付属品(アクセサリーパケット、ヒーター、ベバレッジバッグ、スプーン)
米軍MREピザのパッケージ
ピザは約15cm×13cm程度の四角いレトルトパウチに入ってました。
レトルトパウチは保存性が高いのを納得できるくらい、触っただけでアルミの層がいくつも重なってるのが分かるほど固めに出来てます。
重さは88gで280kcal。
例えばドミノピザの「ドミノデラックス」はLサイズ1切で163kcalなので、大きさは小さいもののカロリーはしっかり詰まってるのが分かります。
このレトルトパウチをMRE専用のヒーター「FRH」に入れて温めてから食べる形になります。
米軍MREのピザ実食レビュー!
ここからはMREのピザを温め、実際に食べて味の感想などをレビューさせていただきます!
専用のヒーターでピザを加熱
温め方法は実に簡単で、専用ヒーターの袋に温めたいものを入れて水を注ぐだけ。
中に入ってる発熱材を水で濡らせば1分も経たないうちに温まり始め、最終的には触れないくらい熱くなり中身を加熱します。
早速、蒸気を発しながら温まり始めました。
前述したように手では触れないくらい熱くなりますので、付属されてる紙製のスリーブに収め、少し斜めに立てかけて温まるまで待ちます。
あとは15~20分ほど待てば準備完了です!
しっかり温まったのでピザを食べるとします!
米軍MREのピザの味は?
こちらが加熱後に開封をしたピザです。
チーズが溶けてトロトロ、というわけではないですね。恐らく保存性を高めるために溶けないようなものを使ってるのだと思われます。
そして肝心の味ですが、生地とソースは甘め。全体的に甘さが目立つ仕上がりです。
総菜パンに使われてるトマトソースに近いですね。
トッピングのペパロニは旨味がしっかり感じられますが、食感は若干乾燥気味。
そしてチーズはとても人工的な味です(笑)
チートスや、三幸製菓の「チーズアーモンド」に乗ってるチーズの塩気を強くしたような味になってます。
生地はもっちり。パイ生地のように何層かに重なって作られてます。
水分を少なくしてるので一つの固まった生地だと固くなりすぎちゃうのを防ぐためかなと思われます。
本物のピザというより日本であれば菓子パンのピザ、海外だとピザ系(ピザではなく、あくまでもピザ系)の冷凍食品に近いような味ですね。
決して「とても美味しい!」というわけではありませんが、数年間の常温保存に耐えられ、食べられるものが限られる環境でいただけるピザとしては上出来なのではないでしょうか。
ピザ以外の中身の味は?
ピザ以外にも色々入ってるMREなので、それぞれの感想を簡単に紹介できればと思います!
より詳しい感想などは冒頭で紹介したMRE.JPの「【米軍MREレーション】2018年製No.23「PIZZA SLICE, PEPPERONI」の実食レビュー!米軍待望のピザ!」で解説してるので是非ご覧くださいね!
こちらは付属品に入っていたコーヒー。
ごく普通のインスタントコーヒーの味です。
こちらは色々なハーブなどを混ぜて作ったパン「イタリアンブレッドスティック」にチーズスプレッドを乗せたもの。
パンはハーブの香りがとても良く、塩気のあるチーズスプレッドとの相性が抜群です。
こちらはピザと一緒に温めたチェリーブルーベリーコブラー。
チェリーとブルーベリーの自然な甘味と、混ぜられてる生地がクリーミーで心温まるようなデザートです。
おやつのチョコチップクッキー。
チョコが良い具合にクッキー生地に溶け込んでとても滑らか、甘さもそれほど強くなく、一緒に混ぜられてるオートミールの香りがとても美味しいクッキーでした!
最後はチョコプロテインドリンク。
水を混ぜて作りますが、なかなか粉が溶けなくてドロドロ。
重たくて少し飲みづらいココアのようでした。
まとめ
以上、今回は米軍のMRE「PIZZA SLICE, PEPPERONI」を食べてみた感想とレビューでした!
普段とは一風変わったレビューとなりましたがいかがでしたでしょうか?
個人的にとても楽しみにしていた一品だったのでとても楽しくレビューできました。
味には大きく期待していませんでしたが、長期保存できるピザとしては十分かと思います。
なかなか聞き慣れない「MRE」ですが、保存性だけでなく、メニューも色々揃っていてるので非常食としてとても優秀です。
ヤフオクやアマゾン、楽天市場などでも購入可能なので、気になる方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?
今後もこのような一風変わったピザのレビューも予定してるので楽しみにしててくださいね!